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図書館で借りて、昨日半日かけて読んだ本。

臼井美伸『「大人の引きこもり」見えない息子と暮らした母親たち』

知的障がいや学校・職場でのトラブルなどが原因で、引きこもりになってしまった大人と、それに悩む家族の実態を記したものです。

 

帯が衝撃的ですよね。

同じ家で暮らしてるはずなのに、10年間お互いに顔を合わせることがなかったって・・



 

「引きこもり」の定義についてはちょっと難しいけど、私も似たようなもんだよなと思います。

6年以上、社会とはほとんど関わってないし、人との繋がりも薄いし、予定がない日はあまり家から出ないので。

 

 

そういった「社会からはみ出してしまった人達」に対する世の中の偏見は、まだ強い。

 

私も時々、リアルで複雑な気持ちになる会話を耳にすることがあるんです。

就職に失敗した人の噂とか、不登校になってるお子さんの話とか。

 

悪気はないのかもしれないけど、そんなことを芸能人のゴシップみたいに、面白おかしく話す人を見かけると、ちょっとやめて欲しいなと思う。

「私もそうなんですけどね・・」と。

 

 

特に、私達の親や祖父母世代には、理解を求めようとしてもなかなか難しいかもしれません。

私だって、自分より下の世代の事情や考え方は、正直どこまで理解出来るか分からないし。

 

分かってもらえないから、SOSを出したくても出せない。

出したとしても、「そんなの甘えだ」と周りから怒られたり、「自分らの若い頃は・・」なんて、大人の自慢話に巻き込まれたりするわけですよね(汗)

 

泣きながら歩く女子高生のイラスト

私も正直、助けを求めるのには抵抗があります。

一番近くにいるはずの家族でさえも。

 

両親との仲が険悪なわけではないけど、「こっちの気持ちをもっと分かろうとして欲しかった」と感じたことが、今まで結構ありました。

 

 

中学の時、学校が嫌で行きたくないと話した時も許してくれなかった。

大学を選ぶ時も、自分の希望より先に「この学校にしよう!」と勝手に決めてしまった。
(結局そこは落ちて、自分で選んだ私立の大学に行かせてもらったけど)

 

抗うつ剤を飲むほど仕事が辛かったのに、出社を渋ってると「逃げんな」「もっと頑張りなさいよ」と、無理矢理家を出された。

 

 

ニートになってからは、自分の生活や行動に対して、二人とも口出しはしなくなったんですが・・
(さすがにもういい歳した大人だし)

そんなことがあったせいか、困った時もあまり頼れないんです、正直なところ。

 

心配してくれてるのかもしれないけど、「自分のことは自分でちゃんとするから、あまり構わないで」と思ってしまう。

この本の中にも、「親に干渉されるのが嫌だった」「放っておいて欲しかった」と話す引きこもり当事者の方が出てきます。

 

 

難しいですね、距離感って(-_-;)



 

だから私も、最近は早く家を出たいなと考えてます。

 

ちゃんと独り立ちして、両親を安心させたいという気持ちもあるけど。

他人に気を遣ったり、逆に気を遣われるような生活から、早く自由になりたい。

 

 

「ならさっさと働け」とも言われそうですが、また人間社会に入って行くのも結構勇気のいることで・・^^;

だから、今はオンラインコミュニティに参加したり、無料の相談支援を受けたりしながら、これからのことを模索してるところです。

 

そして世の中としても、「声を上げたくても上げられない人や、見えなくても苦しい思いをしてる人がいっぱいいる」ということに、もっと理解を示してくれればと思います。

 

「大人の引きこもり」見えない息子と暮らした母親たち
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