仏壇の近くに飾られた鬼灯の花

今年のお盆。

母方の祖父母の家に行って、今は名古屋に住んでいる叔父夫婦と久し振りに再会した。

 

親戚に会うことの多い季節。

私にはどうしてもされたくない質問がある。

 

 

「仕事は?今何してるの?」

 

 

聞いて欲しくないなと思っていたけど、今回もやっぱり聞かれてしまった。



 

祖父母も叔父夫婦も、他の近しい親戚も、私が仕事を辞めて随分経つことは知っている。

「家事手伝い」というソフトな言い方でごまかすと、それ以上は突っ込んで聞いてこない。

 

大学時代は就職を促していた両親も、私が精神的に病んで退職してからは、何も言わなくなった。

それと同じように、「働いたら?」などと周りから言われたり、説教されるようなことは今のところない。

 

 

自分にとってはありがたい話だけど、この質問はやっぱり苦痛だ。

一緒にいる母にも申し訳ないし、内心ではみんなどう思ってるんだろう・・?と。

 

無職になってから6年間、ずっとそんなモヤモヤを抱えている。

 

退職届を持っているイラスト

仕事を辞める決断自体は、私が自分でしたことだ。

それに対して後悔はしてないし、このまま働き続けると、いつか本当に潰れてしまうと思っていた。

 

かといって、他の仕事に就ける自信もなければ、やりたいことがあるわけでもなかった。

自分がどうしたいのか、何が出来るのか分からないまま、あっという間に過ぎて言った6年。

 

 

自分の今を聞かれたくないのは、親戚だけじゃなく誰に対しても同じ。

一応、みんな正直に話してはいるけど、そのたびにちょっと情けなくなってしまう。

 

「いつまでこんなことしてるんだろう」と。

 

 

自分から選んだ今の道。

両親に悪いとはいえ、辞めてからは人間関係で悩むことも減ったし、気楽な時間のほうが長くなった。

 

なのに。

そんな自分を堂々と打ち明けることは、リアルではまだ出来ない。

 

そろそろ何かをしたいけど、何をどうすればいいかが分からない。

・・というのが、今の私の現状。

 

5月の青空と新緑

本当は、もっと頑張りたいのかもしれない。

 

 

働いてた頃は、メンタルは病んでたけど、中身の濃い毎日を送っていた。

職場では落ちこぼれだったけど、仕事を通して出来るようになったこともあるし、楽しい時間もそれなりにあった。

 

だから、傷ついても何かに打ち込んだり、自分のやっていることに誇りと自信を持てる。

そんな経験を、もう一度してみたい。

 

忙しそうに電話や事務作業をするビジネスマンのイラスト

誤解を避けるために言っておくと、私は「働く」ということ自体が苦手なわけじゃないんだと思う。

お金のために嫌々何かをしなきゃいけないとか、嫌いな人と毎日会わなきゃいけないとか、そういう環境に置かれたくないだけで。

 

実際、今も仕事を探したりはしてるけど、「お金を稼がなきゃ」と思うと途端にしんどくなる。

それよりも、「面白そう」「楽しそう」という気持ちをベースにして、新しくやってみたいことを探している。

 

 

だから、もし希望にぴったり合う職場が見つかって、一緒に働く人達ともウマが合うのであれば、それこそいっぱい残業してでも働き続けるかもしれない。
(まあ、そんな天国みたいな場所はなかなかないのが現状だけど^^;)

 

あるいは組織に属さなくても、お金にならなくても、夢中になれることに巡り合えたら、ずっとそれを続けていくと思う。

 

 

具体的にどうしていくのか、今はまだなんとも言えない。

こうして悩む時間も、正直焦りっぱなしだ。

 

だから、ワクワクするものを探すアンテナや、チャンスが来た時に飛び込む勇気だけは持ち続けたい。

 

 

仕事でもそうでなくても、小さな楽しい経験を、少しずつ積み重ねる。

そしていつか、「今はこんなことやってるよ」と、自信と誇りを持って言えるようになろうと思う。