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去年の年末から年明けにかけて、『赤毛のアン』を初めてちゃんと読んだ。
ちょっとした行き違いから、年老いた兄妹・マリラとマシュウの家に引き取られた孤児のアン。
それまで人からの愛情に恵まれなかった彼女が、持ち前の豊かな想像力と明るい性格で、大人の少女へと成長していくストーリー。
中でも食べることが好きな私は、作品に登場する数々のお菓子に惹かれてしまった。
ピクニックのアイスクリーム。さくらんぼの砂糖漬け。
大切な牧師夫妻のために、アンが作ったレイヤーケーキ。
(間違えて痛み止めを入れてたけど)
想像するだけで「いいなぁ」とうっとりしてしまう。
レシピ本もあるくらい、アンの世界に出てくるお菓子はどれも魅力的だ。
数々の失敗や事件を繰り返しながら、前向きにそれらを乗り越えていくアン。
最初は彼女を鬱陶しく思っていたマリラも、共に生活するうちに、実の母娘のような関係になっていく。
そんな二人が紡ぐ日々の暮らしも、この作品の魅力の一つかもしれない。

手作りの料理やスイーツ。
好きなものに囲まれた部屋。
おとぎ話や子供の頃の絵本みたいに、「暮らし」を自分達で作り上げていくような作品が、私は好きだ。

最近観た映画『オンネリとアンネリのおうち』もそう。
アンもそうだけど、「アンネリ」なんて自分と名前が似てるから、ものすごく親近感が湧いてしまう(笑)
双子でも姉妹でもないけれど、オンネリとアンネリはとっても仲良しの女の子。
ある出来事をきっかけに、二人は水色の素敵な家を買って、共同生活を始めることになる。
ピュアな子供の感性を駆使して、彼女達がデザインしていく暮らしは、本当に楽しそう。
可愛い服に身を包んだり、部屋を好きなように模様替えしたり。
二人でハート型のパンケーキを焼くところと、終盤、みんなでカラフルなアイスクリームを作るシーンが私のお気に入りだ。
(ここでもやっぱり食べ物に目がいく私)
もとがフィンランドの童話なので、メルヘンとリアルがごっちゃになったような、不思議な世界観も魅力的。
特に私を含め、人形やままごとで遊んだことのある女性にとっては、思わずときめく場面がいっぱいあるに違いない。
私の部屋も、昔はぬいぐるみを飾ったり、好きなアーティストのポスターを壁中に貼ったり、やりたい放題だった。
でも、その時間が楽しかったのをすごく覚えている。
なのにいつの間にか、そういったワクワクすることにも時間をかけられなくなってしまった。
今はすっかりシンプルな部屋になってるけど、壁紙が剥がれそうなところもあるし、模様替えするのも悪くないかもなぁ。
木目調の壁紙とか、ログハウスみたいで素敵かもしれない。
(注:↑画像はイメージです)
フィンランドといえば、私が好きなムーミンの故郷でもある。
↑先程のアンと一緒に、この冬はコミックスを1冊、図書館で借りて読んだ。
キャラクターの可愛さはもちろんのこと、私がムーミンの世界に惹かれる一番の理由は、彼らの暮らしぶり。
好きな人達と一緒に、自給自足の生活をして、たまにピクニックや冒険に出掛ける。
中でも、僅かな荷物とハーモニカを片手に旅をするスナフキンは、私にとって理想の姿と言ってもいい。
アン、オンネリとアンネリ、そしてムーミン谷のみんな。
どの作品も、描かれているのは日常の出来事やちょっとした事件で、全部が波乱万丈というわけじゃない。
それでも、彼らの生活が楽しそうに見えるのは、きっとそれぞれが自由な感覚を大事にしてるからだろう。
自分が「好き」と思ったもの。
「食べたい」と思った食べ物。
「着たい」と思った服。
「住みたい」と思った部屋。
余計な情報や他人の価値観に惑わされずに、自分が本当に選びたいものを選んで暮らしている。
だから、毎日本当に楽しそうにしてるんだ。
私が部屋をポスターだらけにしていたように、好きなものをいっぱい飾る時。
NHKの子供向け料理番組を観て、母と一緒にフレンチトーストを作った時。
似合う似合わないに関わらず、いろんな服や化粧品を集めていた時。
あの頃と同じ自由な気持ちで、目の前の時間を過ごすことが出来たなら。
毎日はもっともっと幸せで、中身の濃いものになっていくに違いない。
何をするにしても、自分に素直でいること。
「暮らしをデザインする」って、きっとそういうことだ。
だから私も、今日はホットケーキを食べることにする。
(やっぱり食べ物)
ちなみに、手作りじゃなくヤ〇ザキのものです。
自分でこんな綺麗に焼くのには、まだまだ時間がかかりそう。

