安音です♪

 

少し前のブログで、岩井志麻子さんの怪談小説『ぼっけえ、きょうてえ』の感想をお届けしました。

>>【雑記】ビビりのクセにホラーを読む夏

 

 

夏だし、8月は怖い話を読もうと前々から考えてて^^;

この作品だけでも良かったんですが、なんかもっとホラーを楽しみたくなって、もう一冊図書館で借りてきちゃったんです。

 

それがこちら。

澤村伊智『ぼぎわんが、来る』

↑澤村伊智さんによる長編ホラー、『ぼぎわんが、来る』

 

2018年公開のホラー映画『来る』の原作なんですね。
(内容はちょっと改変されてるそうですが)

来る DVD通常版
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前の『ぼっけえ、きょうてえ』が人間の恐ろしさを描いた怪談話だったのに対して、こちらは正真正銘のオカルトです。

ある家族が、古くから伝わる謎の怪物「ぼぎわん」に襲われる・・という物語。

あらすじだけ見ると、いかにも王道というか、よくある怖い話みたいに思えますが。

 

結論から言うと、めちゃくちゃ怖かったです( ̄▽ ̄;)

しかも王道だからこそ、読者を飽きさせない工夫もしっかり施されてて、恐れ入りましたという感じ。



 

この作品は全部で3つの章から構成されてるんですが、各章ごとに視点人物が入れ替わる形で進んでいきます。

 

第一章は、新婚生活を送る会社員の秀樹。

第二章は彼の妻・香奈。

そして第三章は、この家族と関わりを持つことになるライターの野崎。

 

しかも章が変わるたびに、それぞれのキャラクターが全然違う印象で描かれるんです。
(以下、ちょっとネタバレになるので注意)

 

 

 

例えば最初の語り部である秀樹は、第一章だと子育てに奮闘する「イクメンパパ」として表現されてます。

そして得体の知れない化け物から、なんとかして妻子を守ろうとする。

一章は彼の目線で話が進むので、秀樹自身は自分自身をそういう人間だと思ってたんでしょう。

 

ところが第二章で、奥さんの香奈の視点になると、彼の本当の姿が明らかになります。

つまり、秀樹は自分で自分のことを「健全な父親」だと思っていたけれど、香奈から見た彼はそうじゃなかった、というわけです。

 

主観的に見る自分と、人の目を通して客観的に見る自分は違うっていうことですね。

その描き方が面白くて、一層作品に惹き込まれちゃいました。

 

 

そして香奈も、秀樹に対するイライラを幼い一人娘にぶつけていて、決して円満とは言えない家庭だったことが分かります。

そんな家族の「心の隙間」につけ込むようにして現れるのが、秀樹が昔、祖父から聞かされていた怪物・ぼぎわん

 

そのぼぎわんを退治するために、霊能者の比嘉琴子が立ち向かうことになる・・というのが、後半以降のストーリー展開です。

だから、終盤は結構バトル的な描写が多くなります。しかも相当血みどろの( ̄▽ ̄;)

 

 

個人的には、第一章がダントツで怖かったですね。

次々と起こる不可解な出来事を通して、ぼぎわんが迫って来る恐怖。

すごいネタバレですが、主人公だと思ってた人はこの章のラストで死んじゃうし(汗)

 

怖いけど「えっ?えっ!?(;゚Д゚)」と続きが気になって、ページをめくる手が止まりませんでした。

2日で読み終わったんですが、最初の1日目で半分以上ダーッと読んじゃって。

文章だけでここまで恐怖を感じさせるんだから、本当にすごいです。

 

最後は一件落着してハッピーエンド。

・・かと思いきや、実はそうじゃないんじゃないか?もっととんでもないことがいつか起こるんじゃないか?と感じさせる、そんなラストになってます。

これもある意味、ホラーのお約束ですよね(笑)

 

 

ちなみに、この作品には比嘉琴子と比嘉真琴という、霊能者の姉妹が出てくるんですが、同じ澤村伊智さんの他の作品にも登場してるらしくて。

「比嘉姉妹」シリーズの第一弾ということですね。私も今回初めて知りました。

 

この二人もキャラが立ってて存在感があるので、是非他のシリーズも楽しみたいなと思ってます。

ただ、どのくらい恐怖に耐えられるかは分かりませんが(;^ω^)

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)
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安音でした、チャオ♪