安音です♪
今年、雨の季節になったら読みたいな~と思ってた小説がこちら。
↑市川拓司さんの『いま、会いにゆきます』。
だいぶ前に映画化もされてるので、ご存知の方も多いんじゃないでしょうか。

私も映画の存在は前々から知ってました。
小学生の頃、家族と映画館に行った時に予告だけ観たことがあって。
病気で亡くなったお母さんが、雨の季節に家族のもとへ帰ってくる。
でも、彼女は生前の記憶を一切失くしていた。
しかも梅雨が終わったら、また消えていなくなってしまう。
本編も、結局今までサワリの部分しか観たことないんですが、なぜかものすごく印象に残ってた作品でした。
今は亡き竹内結子さんがヒロイン役なんですよね・・
そしたら、図書館に行った時に原作本があるのを見つけて。
「そういえば雨の季節の話だったなぁ」と思って借りてきたわけです。
まさに今の時季、気分転換にちょうどいいんじゃないかと。
泣けた~(´;ω;`)
いや、泣ける作品だということは知ってたけど、終盤の別れのシーンでやっぱりウルウルきちゃって。
一応ティッシュは用意してたんですが、鼻の奥がジーンと痛くなるのを必死に堪えてた。
しかも「澪(お母さん)は最後にまた消えてしまう」ということだけしか知らなかったので、その後に待ってた本当の真実にびっくりしたんです。
どうして彼女が記憶を失くしたのか。
なぜ幽霊じゃなく、生身の人間の姿で現れたのか・・など、いろんな伏線が一気に回収されて、さらに感動。
家族も友達も、恋人も、自分にとって大切な人だということは分かる。
でも当人が生きてるうちは、一緒に過ごせることのありがたみに気付けないんですよね。
いなくなってから「もっとああしておけば良かった」と後悔するものなのかもしれない。
だからこそ、同じ時間を過ごせる今に感謝しなきゃいけないんだな、と思いました。
一つ心残りなのが、この本を読んだ時、東北はまだ梅雨入り前でカンカン照りだったこと(苦笑)
6月のはじめに借りたんですが、ちょっと急ぎすぎたかな・・
なので、ちゃんと雨が降ってる日にもう一回読み直したい^^;

もう一冊、最近読んだばかりの本がこちらです。
↑江國香織さんの短編集『いつか記憶からこぼれおちるとしても』。
短編なんですが、作品同士には繋がりがあって、全て同じ女子高が舞台になってます。
主人公は、その高校に通う思春期真っ最中の少女達。
子供と大人の中間という不安定な内面と、家族や人間関係といった、日常の葛藤をリアルに描いた物語です。
学生が主人公の小説はこれまでにも何冊か読んだけど、やっぱり懐かしくなりますね。
自分が昔抱えてた悩みとか、親に抱いてた気持ちがまざまざと蘇ってくるというか。
高校時代の私は全然目立つ生徒ではなかったし、友達もいなかったので、一人で過ごすことが多かったです。
だからあの時の同級生って、私のことをどのくらい覚えてるんだろう・・
名前すら忘れちゃってる人も間違いなくいるはず( ̄▽ ̄;)
そんな私も、クラスメイトの顔や名前って、ごく一部の人しか思い出せません。
そのくらい、当時のことは自分の記憶からまさに「こぼれおちて」しまってる状態。
この作品は短編とはいえ、ほとんどの物語が綺麗に完結しないまま終わります。
謎を残した状態で幕を閉じるので、「え?これ結局どういうことだったの?」と、正直唖然としちゃったところも(苦笑)
ただそういったことも含めて、いつか思い出せなくなる時が来る、ということなのかなぁ・・と。
恐らく、今こうして生きてる時の感情も、数年経てば忘れてしまうかもしれない。
だから一日の出来事も、そこで生まれるどんな感情も、噛み締めるように生きていかなきゃいけない。
あまり楽しくはなかった私の学生時代も、こういう小説読むと「高校生って楽しそう」と思えてくるから不思議です^^;
また勉強したり、何かに打ち込んだりするのも悪くないかもしれないですね。
ちなみに梅雨の話ではないけど、この作品でも雨が特徴的な存在として描かれてます。
なので今の季節、読書の時間にはぴったりですよ。

ということで、この梅雨に読んだ本を2冊ご紹介しました。
変わりやすい天気が続きますが、雨の日は無理せずひとり時間を満喫しちゃいましょう。
夏だし、今度はホラーにも挑戦したいな( ̄▽ ̄;)
安音でした、チャオ♪

