安音です♪
プロフィールにも書いてますが、私は子供の頃、地元の市民劇団に入ってました。
メンバーは主に小学生から高校生までの子供達。
講師にプロの先生をお招きして、ミュージカルや演劇・朗読劇といった舞台を創ってたんです。
今は少子化の影響で団員も減ってしまったんですが、一時期は60人近くの子供達が集まってました。
みんな学校も学年もバラバラで、ものすごい数の兄弟が一堂に会してるような雰囲気。
私も、入りたての頃はまだ7歳だったので、中高生のお姉さん達に面倒を見てもらってたのを覚えてます。
その中に、Nちゃんという女の子がいたんです。
Nちゃんは私より3つ年上。
マジメでしっかりした印象の人でした。
特に歌が上手くて、公演のオーディションでは毎回メインキャストに選ばれてたほど。
しかも美人だし、舞台で間違いなく映えるタイプ。
私と好きなミュージシャンが一緒で、よくレッスンの休憩中に二人で盛り上がったり、同じライブに参戦したこともありました。
高校を卒業してからは東京の短大に進学して、そのミュージシャンの自宅近くに住むほどの追っかけっぷり(笑)
それからのことは全部人づてに聞いた話ですが、地下アイドルやフリータレントとして活動したり、芸能界を目指してたみたいです。
Aから始まる某グループのオーディションに受かった、とも聞いたけど、本当かどうかはよく分かりません。
ネットニュースに彼女のグラビア写真が上がっててびっくりしたことも。
でも結局長続きしなくて、3年前、久々に会った時は東京の会社でOLをやってると話してました。
ただ、芸能界を諦めたわけではなかったらしく、SNSで「お仕事募集してます♡」みたいな書き込みもしてたようで。
LINEのアイコンが水着姿だったこともあります。
まあ美人だし、歌も上手かったし、普通にアイドルにもなれそうだよなぁ、なんて軽く考えていた私。
3年前には、うちの劇団が創立20周年を迎えて、その記念公演に彼女も出てくれました。
↑白いシャツを着て並んでる二人のうち、向かって右側が私・左側がNちゃん。
この時、私は初めて作詞込みで一曲書き下ろしたんですが、その曲を彼女も歌ってくれたんです。
終演後はNちゃん含め、出演者数名と一緒に打ち上げ。
カラオケでジョジョの主題歌を歌いながら盛り上がったなぁ^^;
私が「その血の運命」とか「STAND PROUD」を濁声で熱唱する横で、ノリノリで合いの手を入れてくれて。
彼女も「残酷な天使のテーゼ」や「タッチ」などを歌ってました。
昔と同じ綺麗な声で、もう本家並みの上手さ。
それからしばらく疎遠になってたんですが、先週の4月2日、仕事帰りの母が神妙な面持ちで話しかけてきました。
「Nちゃんのこと聞いた?」と。
「え?何が?」
「・・亡くなったんだって」
いやいやいや、嘘でしょ?
最近あんまり連絡とってなかったけど、普通にこの間まで一緒に舞台やってたじゃん。
去年何かのミスコンで賞もらって、笑顔で記者会見してる写真もネットで見たよ。
違うでしょ?
一日遅れのエイプリルフールだって言ってよ。
まだ30になったばっかりだっていうのに。
美人でしっかり者で、小さい頃からお姉さんみたいに憧れてたのに。
Nちゃん。
他の知人から聞くところによると、自分の手で、ということでした。
あまり詳しいことは聞かないようにしたけど、人間関係や恋愛に関して、かなりのいざこざがあったらしくて。
ん~・・・・
もっと頻繁に連絡とっておくべきだったかな。
私は年下だけど、話を聞くくらいは出来たかもしれないのに。
Nちゃんが子供の頃、うちの劇団に入ったきっかけは、同級生の女の子に誘われたからだそうです。
その頃の彼女は学校でいじめに遭ってて、ずっと不登校でした。
それが、演劇を始めたことで堂々と人前に出られるようになった。
学校にも行けるようになって、しまいには芸能界を目指すほどに。
私も小さい頃、アイドルに憧れたことがあったけど、大変な世界だということは大人になるに連れて分かってきました。
Nちゃん自身も、これから辛いこともあると分かった上で、その世界に飛び込んで行ったんでしょう。
だから、ここで業界のことをとやかく言うつもりはないし、彼女が目指していた夢を否定するつもりもない。
自分なりに頑張ってたんだから、充分素敵だと思います。
でもまあ、なんだかなぁ・・
「どうして彼女が」という気持ちでいっぱいです。
子供時代の辛い経験から立ち直って、容姿にも恵まれてて、可能性もある人だと思ってたのに。
ただすごく痛感したのは、「人って、こんなに突然いなくなるものなんだ」ということ。
私のLINEには、Nちゃんのアカウントがまだ残ってます。
↑誕生日にメッセージをくれたこともあって、「彼女がいた」という証拠が今も確かにある。
それなのに、もう会えない。
なんのやり取りも出来ない。
本当に人って、いついなくなってもおかしくないんですね。
彼女と過ごした時間が、どれほど幸せでかけがえのないものだったのか。
私も、今になってやっと分かったところです。
でもさ、Nちゃん。
身をもってそれを教えてくれたのかもしれないけど、いくらなんでも早すぎるでしょ。
その才能と頑張りを、もっともっと多くの人に見てもらいたかったけどな、私は。
だから、忘れないよ。
Nちゃんのことを忘れずにいることが、私に出来る精一杯の供養だと思ってるから。
周りの人達に感謝して、一日一日大事に生きていくから。
ありがとう。
とにかく、今はゆっくり休んで。
まだまだ先になるとは思うけど、いつかまた一緒に歌ったり踊ったりしようね。

