安音です♪
秋ももうすぐ終わりですね。
私も先週末は読書デーにして、図書館で借りてきた小説を読んでました。
秋のうちに読んでおきたい作品があったので。
↑白多めのカバーなので、見えにくかったらすみません(笑)
重松清さんの『少しだけ欠けた月』。
四季にちなんだお話が12作入った短編集『季節風』シリーズの秋編です。
今年の7月に夏編を読んだんですが、素敵な作品がいっぱいだったので、秋も借りてきちゃいました。
前回の夏に引き続き、こちらも心に染みるお話がたっぷり収められてます。
家族愛や友情を描いた作品が多いかな。
秋だから切ない感じなのかと思ったけど、どちらかというと私はほっこりする印象が強かったです。
これからやって来る寒さに向けて、優しく背中を押されたりパワーをもらえるような、そんな雰囲気。
個人的イチオシは7作目「よーい、どん!」。
仕事が上手くいかず、希望を失くしていた中年男性が、奥さんの計らいで小学校の運動会を見に行くお話です。
頑張る子供達に声援を送るうちに、気持ちも少しずつ前向きになっていって・・というストーリー。
運動会といえば、子供時代の私にとっては憂うつな学校行事ワースト3の第3位でした。
(ちなみに1位はドッジボール大会、2位はマラソン大会)
あまりにも運動オンチだったので、徒競走は毎年ビリだし、団体競技では足を引っ張るし。
だから勝ち負けのつかないダンスとか、応援してるほうがずっと楽で。
小学生の時、一回だけ応援団でチアガールをやったことがあるんです。
↑上の写真でポンポン振ってる3人のうち、真ん中が私。
踊るのは好きだったし、あの時は楽しかったなぁ。
他の種目は苦手でも、応援合戦は気合入れてやってた記憶が(笑)
なんて表現したらいいか分からないけど、誰かを応援してる時って、心の奥がギュッとなる気がする。
誰かが頑張ってる姿を見ると、それだけでなんか泣きそうになっちゃって。
私もそんな感じでした。
特に先頭を走ってる子より、ビリのほうに声援を送りたくなることが多かったんですよね。
だから大人になった今、観客席で見守っていた家族の気持ちが分かった気がします。
必死に何かを成し遂げようとしたり、ゴールに向かおうとする様子は、勝敗や順位なんか関係なく、誰でもカッコいい。
それを見て、自分達も励まされることがたくさんあったんだろうな、と。
作品のほうに戻りますが、このお話でも、主人公と奥さんは子供達の頑張りを見て、もう一度前を向く決意をします。
負けてもどん底に突き落とされても、次がある。
またきっと立ち直れると信じて。
今の世の中って、やたら他人と競い合ったり、「人生の勝ち組・負け組」と判断されることも多いじゃないですか。
私だって、端から見れば負け組の部類に入る気がします。
社会から放り出されちゃったし、友達も全然いないし・・
成功者にどんどん置いて行かれて焦ったり、周りに嫉妬してる人もたくさんいると思うんです。
でも、人生の幸せは人それぞれ。
どんなゴールの仕方があってもいい。
お金持ちになんかなれなくても、美人やイケメンじゃなくても、自分の大切なものを守って、今出来ることを最期までやる。
それだけでもう立派だし、社会の中でどんな立場であっても、充分素敵なのかもしれない。
不安を感じたり、ネガティブなニュースを耳にすることも多いけど、子供達を見習って私も頑張らなきゃな、と思ったのでした。
ということで、つい昔の思い出話に花が咲いちゃったけど。
最近ちょっと辛い思いをされてる方・もっと秋を楽しんでおきたい方は、是非こちらの作品を手に取ってみてください。
寒い日のおうち時間にもぴったりですよ。

安音でした、チャオ♪

