安音です♪

 

雨が多いこの時季、おうち時間におすすめなのはやっぱり読書。

私も先日、図書館でこちらの本を借りてきました。

角田光代『笹の舟で海をわたる』

↑角田光代さんの小説『笹の舟で海をわたる』

笹とか海とか、タイトルからして夏のお話なのかな~と思って選んだんですが、読んでみたらそんなこともなかった(苦笑)

でも角田さんの作品を読むのは初めてだったので、興味半分でチャレンジしてみることに。



『笹の舟で海をわたる』あらすじと感想

戦争から高度成長期、バブル、そして現代までを生き抜いてきた初老の女性が、自分の人生を省みる物語。

 

朝鮮特需による好景気を迎えた1950年代、当時20代だった主人公の左織(さおり)は、ある日デパートで自分を知る女性・風美子(ふみこ)に出会います。

彼女は戦時中、同じ疎開先で左織と共に過ごしたことがあるらしく、「他の子供達からいじめられていた自分に優しくしてくれた」と語りました。

しかし、当の左織はそのことをほとんど覚えていません。

 

結婚や出産・子育てを経験しながら、風美子と交流を深めていく左織。

ところが、自分の人生にやたらと介入してくる風美子に、嫉妬と違和感を募らせていって・・というストーリーです。

 

 

開いてみたら予想以上に長くて、中盤はすっ飛ばしちゃった部分も結構ありました^^;

でも読んだ後はほんの少し希望が感じられたというか、自分の人生に対して穏やかな気持ちになれた感じがします。

過去を引きずるか、自分の糧にするか

地味で周りに流されてばかりの左織と、明るくて我が道を行く性格の風美子。

対照的な二人は、生き方や価値観も正反対です。

 

戦中生まれの左織は、いつも苦しかった過去に囚われて、自分の生き方を肯定することが出来ずにいます。

「子供の頃は辛いことがいっぱいあった。人生ってなんでこんなに大変なの・・」とウジウジして、先に進めないタイプ。

だから彼女は時代の変化にもついて行けないし、家族と上手くやっていくことも出来ません。

 

一方の風美子も子供時代はいじめられっ子で、家族を全員戦争で亡くした孤児でした。

ただ左織と違うのは、そんな過去の経験をバネにしていること。

「悲しいこともあったけど、それに流されていても仕方ない。這い上がって自分の人生楽しんでやる」というエネルギーに満ちているんです。

 

それ故に、何十年と付き合いを続けていても、左織は風美子に対してどこか違和感を抱いていました。

終盤でやっと彼女のことを受け容れられるんですが、そこまで来るのに半世紀近くかかっちゃってます^^;

「こんなに辛かった」はただの慰め

でも確かに、辛い経験や自分のマイナス面を受け容れるって、ちょっと勇気が必要なこともありますよね。

私もそうでした。どちらかというと、ものの考え方は左織寄りだったように思います。

女の子同士のいじめのイラスト

プロフィールや過去の記事でも書いてるんですが、私は小学生の時、一番仲の良かった友達に裏切られていじめを受けたことがありました。

そこからどんどん消極的な性格になって、学校や仕事でも人付き合いが上手くいかなかったんです。

 

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もちろん当時は辛かったし、今でもトラウマになってます。いじめられたことで自分に自信がなくなってしまって。

思い出してもあんまりいい気持ちにはなれないですね。昨日まで普通に話してたのに、急に自分の悪口を言い始めた友達の顔は忘れられません(汗)

 

いっぱい傷ついたし、学校はしんどくて仕方なかった。

大人になっても相変わらず内向的で、人と上手く話せない。

 

ただ、ちょっと言葉は悪いかもしれないけど、「こんなに辛かったんだよ」と言い聞かせることは、自分にとってただの慰めでしかない気がするんです。

正直、他人にとってはどうでもいいことなんですよね。

 

もし「私、昔はものすごくいじめられてたんです」と目の前の人から告白されたら、なんて反応したらいいか分からなくなりませんか?

困難も壁も受け容れて、自分の人生を創る

この作品の中で風美子は、過去を引きずってばかりの左織とは反対に、自分の力で前向きに人生を切り拓こうとします。

時には敵を作ることもあるけれど、周りに流されて生きたくない。幼少時代が不遇だった分、これからは自分の人生を生きたい、という意志が彼女の中にあるからです。

 

私も、いじめがきっかけで弱い人の気持ちが分かったし、人に優しく出来るようになりました。

いじめを肯定するつもりは全くないですが、良くも悪くも、自分にとって必要な経験だったのかな、と今では思います。

スッキリした顔の女性のイラスト

「受け容れる」ってそういうことなのかもしれません。

嫌な経験は確かに辛いものだけど、大切なのは、その過去を受けて自分がどう成長したか。

そして、これからどんなふうに生きていきたいと思うのか。

 

過ぎたことに関してあれこれ後悔したり、悩んだりしたところでどうにかなるわけじゃない。

生きていれば嫌なことは必ずやって来るし、思うようにいかないこともたくさんあります。それが当たり前。

 

だからどんな出来事も、自分の大事な人生の一部だと考える。

そこから目を背けずに、今後の生き方にどう繋げていくかが大事なのかもしれませんね。

 

 

というわけで、なんだかまとまりがあるのかないのか、よく分からないレビューになっちゃいましたが( ̄▽ ̄;)

過去の嫌な思い出が忘れられなかったり、生き方に迷っている方、ちょっと長いですが是非目を通してみてください。

「壁にぶつかっても、前向きに一日を楽しんでいきたい」と元気をもらえると思います(*´ω`*)

笹の舟で海をわたる (新潮文庫)
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安音でした、チャオ♪

 

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