安音です♪
あまり小説を読んでこなかった私ですが、去年あたりから急に興味が湧いて、図書館で借りるようになりました(*´ω`*)
最初にパラパラっとめくって全体を見たり、あらすじだけチェックして面白そうなものを選ぶことが多いです。
そして、もう一つ意識してるのが季節感。
今は夏の初めということで、先日こちらをレンタルしてきました。
恩田陸さんの『木洩れ日に泳ぐ魚』。2007年発表の作品ですね。
タイトルだけはどこかで聞いたことがあった気がするんですが、中身に目を通したのは今回が初めて。
この文庫本の巻末には劇作家・鴻上尚史さんによる解説も収録されています。
あらすじと感想
初夏の晩、引っ越しの準備を済ませたアパートで話し込んでいる男女。
それまで同居していた二人ですが、この翌日からは別々の道を歩むと決めていました。つまり、これが一緒に過ごす最後の夜。
ところが話を追っていくと、実はこの二人、一年前にある男性を殺してしまったかもしれないらしい。
さらに、どうやら二人の間にあるのは単なる恋愛関係だけではないようで・・というストーリー。
長編ということになってるんですが、舞台は回想シーンを除けばアパートの一室だけ。主要な登場人物はこの部屋で共に暮らしてきた男女だけ。
そして、描かれている時間は二人が最後に語り合う一晩だけ・・と、中身はすごく単純です。
でもたったそれだけなのに、溢れんばかりの情報量とドロドロ感。
二人はお互いの気持ちと、自分達が起こしてしまったかもしれない事件について確かめ合ううちに、予想外の真相に気付いていきます。
冒頭から謎だらけなんですが、それで逆に惹き込まれて一気読みしちゃいました^^;
てっきり事件の詳細が明るみになって心中END・・的な流れかと思ったら、二人の話は思いもよらない方向へ。
どうなっちゃうんだろう、二人の間に何があったんだろうと、期待と不安を抱えながら見守ってました。
正直「スッキリ感があるか?」と聞かれるとそうでもないです。
二人が導き出した真実も推測でしかない部分がほとんどで、ラストも報われたとは言えない。
単に私の読解力がないせいかもしれないけど、ちょっと難しかったかなぁという気もしました。
でも二人の心理戦に胸がザワザワしっぱなしで、読み終えた後は脱力感が半端じゃなかったです(苦笑)
まさに夜が明けた感じというか、映画一本観終わった後みたいな気分でしたね。
内容は重めだけど、日常のことを忘れてリフレッシュ出来ました♪
お互いが本音で語り合える関係
ちょっとだけネタバレすると、この作品はミステリーのようで恋愛小説でもあります。
実は、私は本気で恋というものをしたことがないんです。
カッコいいミュージシャンのファンになったり、アニメやマンガのキャラを好きになったことはあるけど、リアルで男の人と関係を持ったことがなくて。
もともと人付き合いが苦手だったし、昔友達とトラブルになったことで、周囲の人に対する恐怖心もありました。
だから、男性に興味を持てないまま大人になったように思います。
でももし、これから先恋をすることがあるんだとしたら。
その時は、お互いの気持ちを本気で打ち明けられる関係でありたいと、主人公の二人を見ていて感じました。
いいところも、影の部分も、全部共有して受け容れられる関係。
ちゃんと本音で話し合って、それこそ本当の家族のように一緒にいられる人。
そんな相手と出会えたらいいなと思ってます。今はなかなか見つからないけど・・(苦笑)
どんなに自分と親しい人でも、疑ったり、ちょっと違和感を持つことってありますよね。
そんな時、多少ケンカしてでも正直な気持ちでぶつかり合えれば、変に気を遣わずにいい関係を築けると思うんです。
誰かと接する時は、私もそうした姿勢を大事にしたいと考えてます。
というわけで、後半は作品のテーマから離れちゃったかもしれませんが、『木洩れ日に泳ぐ魚』のご紹介でした。
雨も多いこの季節、ゆっくり過ごしたい時は小説を一気読みするのもおすすめですよ~(*^^*)
安音でした、チャオ♪