安音です♪
前向きで温かい気持ちになれる小説が読みたいな~と思って、先日図書館に行った時、この本をレンタルしてきました。
石田衣良さんの『約束』という作品。
全部で8つ(うち1作は文庫化にあたっての書き下ろし)の物語が収められた作品集です。
突然友達が亡くなったり、大事な家族が病に倒れたり、どれも人生に絶望した人々が、再び前に進む姿を描いた物語になっています。
何があっても、人間必ず立ち直れる
「約束」あらすじ
個人的に一番印象深かったのは、やっぱり表題作の「約束」。
この本の一番最初に収録されてる作品です。主人公は表紙に描かれてる小学生の男の子・土井汗多(カンタ)。
ある日の下校途中、カンタは通り魔事件に巻き込まれて、唯一の親友・葉治(ヨウジ)を目の前で失ってしまいます。
ショック症状を起こしたカンタは、全てのことに対して心を閉ざし、自傷行為を繰り返すようになって・・というストーリー。
いきなりシビアな展開だなぁと思いながら読んだんですが、著者の石田さんによると、2001年6月に起きた附属池田小学校事件を受けて書かれたお話なんだとか。
私は当時のことをあまり覚えてないんですが、被害を受けた児童の多くが私と同い年なので、とても他人事には感じられません。
毎日無事に過ごせるだけでも幸せ
コロナで混乱してる今の世の中を見てても思うけれど、明日の自分がどうなるかなんて、本当に分からないんですよね。
のんびり散歩をしてる時に車が突っ込んでくるかもしれないし、身体のどこかが異常を起こして、突然意識がなくなってしまうかもしれない。
自分だけじゃなく、周りの人や家族だって、明日も自分の近くにいてくれるとは限らない。
そう考えたら、会社の上司が嫌だとか、貯金がもうないとか、そんなことが急にどうでもよくなってくる気がするんです。
毎朝ちゃんと起きられて、美味しいご飯を食べられて、外の光や空気を感じられて、たった一人でも自分の気持ちを話せる人がいる。
そういった当たり前の時間が一番大切で、感謝しなきゃいけないことなんだって。
よく分からないけど、生きてるってそんなに悪くない
「生きていればいいことある」って、人によっては簡単に信じられる言葉じゃないと思います。
辛い時は尚更そうだし、私も同じでした。
嫌な経験をするたびに、「なんで自分がこんな目に遭うの」「これからどうしたらいいの」と何回思ったことか・・
そして今でも、時々そんな気持ちが頭を過ることがあります。
「自分ってなんのために生きてるんだろう」と。
お金もないし友達もいない。特別な才能もない。
自分が生きてる意味って一体なんなんだろう?この先どうやって生きていったらいいんだろう・・?
でも改めて思うのは、「人生がなんなのかはやっぱり分からないけど、そう悪いものでもない」ということ。
先程書いたように、一日を何事もなく過ごせただけでも、人は十分幸せ。
私だって、普段何をしているわけでもないけど、ただコーヒーを飲んだりするだけで「なんかいいなぁ」と感じることがあります。
だから、簡単に諦めていいものじゃないんだな、って。
時にはどん底に突き落とされたり、傷つくこともある。
でも、必ず這い上がれる力も人間にはちゃんと備わってると思うんです。
友達を亡くし、生きる意味を見失った「約束」の主人公カンタも、最後は希望を取り戻してもう一度前に進みます。
どれだけ時間がかかっても、生きているならいつかはきっと上手くいく。
私自身もまだ迷いの中にいるけれど、そう信じていたい。
目の前にちゃんと時間がある限り、自分の身体を大事にして、日々の幸せに感謝しながら過ごしたいですね。
今日も明日も明後日も、きっとなんとかなるでしょう(*´ω`*)
安音でした、チャオ♪
