安音です♪

 

家で読む本がそろそろなくなってきたので、先日図書館に行ってきました。

入口で手の消毒をしたり、マスク着用の貼り紙がしてあったりと、相変わらず厳戒態勢。

 

でもお休み中の子供達が楽しめるように、本は1ヶ月借りられるようになってたんです。

子供じゃないけどこれは嬉しい(*^^*)

 

 

で、この日は春にちなんだ小説をいくつか選んできました。

 

小説って今まであまり読んでこなかったんですが、最近になって興味が湧いてきて。

日常から離れられるし、読み終わった後にいろんなことを考えさせられるし、いい気分転換になります。



この季節に相応しいおすすめ小説

重松清『また次の春へ』

重松清『また次の春へ』

↑まずはこちら。

『ナイフ』『流星ワゴン』の重松清さんによる短編集です。

 

借りてきたのは3月7日頃だったと思うんですが、その時点ではなんの予備知識もなく、ただ桜の表紙に惹かれてレンタル。

 

でも読み始めてびっくりしました。

これ、東日本大震災を題材にした作品だったんですね。

 

めちゃくちゃタイムリー。

しかも読み終えたのも3月11日で・・

 

 

フィクションではあるものの、1話完結形式の物語が7作収められています。

 

各話の主人公は、いずれも震災で被害を受けた東北3県の人。

もしくはボランティアを行ったりして、被災者と関わりを持つ人々です。

 

 

私も宮城に住んでるので、実際にあの震災も経験しました。

 

大変な生活を送るハメになったけど、生活の知恵とか思いやりの大切さとか、生きる上で大切なことをたくさん学ぶことが出来て。

>>【雑記】それでもきっと、春は来る

 

この作品の登場人物達も、震災を受けてそれぞれがいろんな思いを抱え、悩みながら、苦しい状況を乗り越えようとします。

哀しみや傷痕は簡単に癒えないけど、どんな辛い経験も、きっとこれからの人生で役に立つ日が来るはず。

 

私もあの日学んだことを無駄にしないで、今を生きられることに感謝しながら過ごそうと思いました。

朝井リョウ『少女は卒業しない』

朝井リョウ『少女は卒業しない』

3月といえば卒業シーズン。

ウイルスの影響で規模は縮小したものの、この間地区の小学校も無事に卒業式を迎えました。

 

↑というわけで次に読んだのが、朝井リョウさんのこの本。

有名な『桐島、部活やめるってよ』の作者さんというだけあって、すごく読み応えのある一冊でしたね。

 

 

舞台は地方の高校。

他の高校と統合するため、卒業式の翌日に校舎が取り壊されることになっています。

 

主人公は、その学校を最後に卒業する生徒達。

慣れ親しんだ場所やそこで出会った人々、高校生活への想いを、7人の少女の目線から描いた群像劇です。

 

 

いや~もう、読んでる間は完全に高校生に戻ってましたよ私(笑)

 

本当に懐かしい気持ちになりました。

自分もこんなことあったなぁ・・と当時を思い出して。

 

この作品の主人公達も、日々いろんな葛藤を抱えながら、仲間との交流を深めて学び舎を巣立っていきます。

その姿がとってもピュアで瑞々しい(*´▽`*)

 

 

物語は全部で7話。

こちらも1話完結形式なんですが、どのお話もラストは少し切なくて、でも希望に溢れたものです。

 

新しい道に進む時は不安だけど、「今」を楽しんでいけば、きっと素敵な未来が待ってる。

 

 

この本、出来れば高校生の頃に読みかったなぁ・・

そしたら彼女達みたく、貴重な学校生活楽しもう!って頑張ってたのに(苦笑)

 

そんなふうに考えちゃったりもしました。

青春っていいですね・・

宇山佳佑『桜のような僕の恋人』

宇山佳佑『桜のような僕の恋人』

↑最後はこちらです。

タイトルとあらすじだけ見て、よし読もう!と借りてきました^^;

 

著者は脚本家の宇山佳佑さん。

『信長協奏曲』などを手掛けてる方ですね(観たことないけど)

 

 

主人公はカメラマンの夢を諦め、レンタルビデオ店でアルバイトをするしがないフリーター・晴人(はると)。

 

たまたま入った美容室で、髪をカットしてもらった美容師の美咲(みさき)に一目惚れ。

いろんなゴタゴタがありつつも、晴れて二人は恋人同士になります。

 

 

ところがある日、美咲は「ファストフォワード症候群(早老症)」という難病を発症。

人の何十倍もの速さで歳をとり、一年も経たずに外見が老人のようになってしまう、恐ろしい病気です。

 

しかも原因も分からなければ、治療法もない。

ショックを受けた美咲は、どんどん年老いていく自分の姿を見せないために、晴人と別れることを決意して・・というストーリー。

 

 

正直、前半は晴人の情けない男っぷりに少しイライラしちゃったんですが(苦笑)

ヒロイン・美咲の病気が進行する後半以降は、もうあまりの切なさに胸が詰まる想いでした。

 

実は最初の1ページで、この物語がどんな結末を迎えるのか分かっちゃうんですが、だからこそ二人のすれ違いがもどかしくて・・

 

 

「桜のような僕の恋人」。

まさに美咲はそんな女性。

 

というか、人間って誰しもそうなのかもしれない。

 

儚くて、すぐに散ってしまうけど、短い時間の中で一生懸命綺麗な姿を見せてくれる桜。

私達もそんなふうに、限られた人生を大切にしなきゃいけないんだと感じました。

 

 

どんな終わりが待ってるにしても、それまで精一杯楽しく生きて、最期の瞬間は幸せを感じていたいなぁ。

 

 

ということで、春にまつわる小説を3作ご紹介しました。

 

いろんな出会いと別れが待っている季節。

心温まるお話からたくさん元気をもらって、楽しく過ごしていきたいですね。

 

安音でした、チャオ♪