ずっと、流されてばかりの人生だった。
素直に自分を出すのが怖くて、周りに合わせて生きたほうが楽だと思っていた。
傷つくのが嫌で、人に嫌われるのが怖くて、いつもいい子でいるようにしてた。
でもそうやって生きてきて、自分は本当に楽しかったのかな?
黙って言うことを聞いていれば、親や家族が可愛がってくれた。
「いいこと」をすれば、周りの大人が褒めてくれた。
本当の気持ちを口にしないほうが、友達とも上手くいくと思っていた。
自分を抑えれば、他人とも楽に過ごせる。そのほうが無難でいい。
そうやって生きるうちに、私は自分自身に優しく出来なくなっていった。
他人の目を気にするあまり、どんどん自分の気持ちに正直になれなくなった。
本当の気持ちを表に出したら、人に嫌われる。自分を否定される。
それが怖かったから。
だけど。
周りに自分を合わせても、何もいいことなんてなかった。
楽だけど、楽しい生き方だとは思えなかった。
本音を押し殺して、口も閉ざすようになって、私は人との関わり方が分からなくなってしまった。
そして、そんな自分のことが大嫌いになった。
内気で引っ込み思案な私。自信が持てない私。
嫌で嫌で仕方なかった。
周りのことも、自分のことも、誰も信じられない。
憂うつな毎日に耐えられなくなって、ついに心まで病んでしまった。
病院に助けを求めたけれど、ある時処方された薬を大量に飲んだ。
もう耐えられなくて、楽になりたくて。
たくさんの人にお世話になったのに、仕事も辞めた。
今まで、何のために生きてきたんだろう。
こたつで抜け殻のようになりながら、初めて自分自身とじっくり向き合って考えた。
結局私は、自分で自分を傷めつけて、一人で苦しんでいただけだった。
他人に振り回されて、どんどん自分を見失って。
心に鍵をかけたまま、何とかしなきゃと思いながらも、何も変わろうとしてこなかった。
しばらく休む時間をとって、いろんな音楽を聴いたり、本を読んだりした。
そんな時、ある歌の歌詞が耳に飛び込んできた。
たとえ誰になにを言われてもいいさ
好きにやれる一瞬(いま)があればそれでいい
出典元:吉川晃司「KISSに撃たれて眠りたい」
・・そうか。
私はずっと、自分に正直になりたかったんだ。
愛情、怒り、恐怖、喜び・・
その素直な気持ちから目を背けないで、表現してみたかったんだ。
嫌いで、恥ずかしくて、ずっと閉じ込めてきた自分自身。
やっと見つめ直すことが出来た。
優しく出来なくて、ごめんね。
信じてあげられなくて、ごめんね。
だから決めた。
これからは、誰よりも自分を大事にしてあげよう。
「やりたいことをやっていい」と、両親も背中を押してくれた。
もう、周りの目を見ながら自分を作っていくんじゃない。私が私を創るんだ。
楽しそうな道・面白いと思う道を、私は自分で選んでいけるんだ。
迷うこともきっとある。
傷つくこともきっとある。
でも、後で振り返った時に「面白かった」と思えそうな気がする。
そんな、自分だからこそ出来る生き方をしてみたい。
自分の声を聞いて、生きていこう。
