安音です♪
私は現在、地元で活動しているアマチュアミュージカル劇団のスタッフをしています。
音大で作曲を勉強したので、その経験を活かして舞台の音楽を作ったり、歌の指導をしたり、ということをやってるんです。
メンバーの多くは、小学生から高校生までの子供達。
それで、彼らからよく将来の夢を聞く機会があるんですよね。
「女優さんになりたい」「タカラジェンヌになりたい」と、劇団で習ったことを活かして、役者の道に進みたいと考えてる子。
あるいは「お医者さん」「保育士さん」「プログラマー」など、自分の憧れの職業に就きたいという子もいます。
びっくりしたのが、ポケモン好きの一番小さい男の子(小1)から「サトシになりたい」という言葉が出てきたこと。
子供って本当にすごいですね・・
見事なまでの純真さにみんな惚れ惚れしました^^;
さて。
もしあなたがこのように誰かの夢を聞いたら、内心どんなふうに思いますか?
「すごいね!頑張ってね!」と応援する人がいる一方で、「タカラジェンヌ?倍率高すぎて無理でしょ」と、バッサリ切り捨てたくなる人もいるんじゃないでしょうか。
まあ、ポケモンのサトシそのものにはなれないかもしれないけど(苦笑)
特にいろんな現実を見て、打ちひしがれてきた大人ほど、子供の頃の夢って、どこか遠いものに感じちゃいますよね。
だから、ついつい否定したくなってしまう気持ちも分かります。
私もそんなふうに考えてた時期がありました。
ただ、最近気付いたことがあって。
夢って「○○になる」とか、その職に就くことを目標に設定してしまうから、挫折する人が多いんじゃないかと思うんです。
例えば「女優さんになりたい」という夢にしても、本当に大切なのは「どんな女優さんになって、そこから最終的にどうしたいのか」。
「誰かに元気を与えたい」のか、「憧れのスターと一緒に仕事をしたい」のか。
そういった最終目標を考えてみると、別に女優さんという職に就くことが全てではなかったりもします。
職や肩書きは一旦置いといて、「自分がどういう人間になって、どうしたいのか」を叶えることが大事なんじゃないか、って。
夢を追える人・追えない人
冒頭の話に戻りますが、劇団を卒業していったメンバーの中には、プロの役者さんや声優さん・歌手になりたいと言って、本当になった人もたくさんいました。
保育士さんやプログラマーになりたいと言っていた子も、現在は大学や専門学校に通って勉強中です。
ただ一方で、ミュージカル俳優になろうと上京したけど、レッスンが厳しすぎて挫折したという人もいます。
他にも、一時期はタレントとして芸能事務所に入ったものの、数年経って辞めてしまった人もいました。
今は普通の会社員として働いてるそうです。
夢を叶えることが出来る人もいれば、なかなか思うようにいかない人もいる。
私も実は、どちらかというと後者のほうでした。
そうして上手くいかなかった人の多くは、途中で諦めたり、他の道に進んだりします。
だから、「子供の頃の夢はいつかなくなる」と考える人は多いですよね。
どうして夢を諦めてしまうのか?
芸能界を夢見た私の話
ちなみに、私が子供の頃の夢はアイドルになることでした。
某幼児向けアニメに出てきたアイドルの女の子に憧れて、小学生になる頃にはもう「将来アイドルになる」と家族に宣言してたみたいです( ̄▽ ̄;)
もともと私は音楽が好きだったし、お客さんの前で歌ったり、踊ったりすることも好きだったので、それが出来る華やかな世界に惹かれたんですね。
現在スタッフをしている劇団でお芝居を習ってたこともあって、ドラマや映画にも出てみたかったし、ラジオなんかも楽しそう、と思ってました。
その夢は10代になっても忘れられず、アイドルが主人公のマンガを読んだりして、「もし自分がこうだったら・・」と妄想する日々。
しまいには「14歳までにオーディション受けてデビューして、東京に行って・・」と割と本格的に考えて、未来の自分がアイドルとして活躍する妄想マンガまで描いてました。
(イタくてごめんなさい)
実際、どこでもいいから芸能事務所に入りたくて、某ティーンズ向けファッション誌の読者モデルに応募したこともあります。
結局、審査員からの連絡は何も来ませんでしたが。
大きくなるに連れて突きつけられる「現実」
まあ、もともとそこまで行動的なタイプではなかったし、「何がなんでもアイドルになるんだ!」というほどの強い意志も、その頃の自分にはありませんでした。
「何もしなくてもなんとかなるでしょ」っていう気持ちが大きかったんですよね。
なんともなるわけないけど、変に楽観的だったというか・・(-_-;)
だから「14歳までにデビュー」という妄想とは反対に、私はそのまま田舎で中学校生活を送り、地元の高校に進学します。
この間、私は少しずつ作曲のほうに関心を持ち始めていて、夢もアイドルというより、ミュージシャン・シンガーソングライターといった類に変化していきました。
ただ、私は音楽こそやっているものの、実際歌はそれほど得意ではなくて(汗)
音痴というわけではないけど(多分)、とりわけ上手いというレベルでもない。
本当に人並み。
だから歌を仕事にしようだなんて、傍から見たら無謀すぎる夢だったわけです。
そして何かのタイミングで、自分自身もその無謀さに気付き始めます。
大人になるに連れて、世の中の現実というものが少しずつ分かってくるんですよね。
あれほど華やかな芸能界を夢見た私も、その裏事情やプロとしての大変さを知るに連れて、「やっぱり無理か・・」と考えるようになりました。
そして現在。
作曲を学びたくて音大に進学し、卒業したものの、私はプロのミュージシャンになったわけでもなければ、芸能界に飛び込んでもいません。
むしろニート。
まして「アイドルになりたい」という大昔の夢を思い出すと、「そんなことを考えてた時期もあったなぁ~」と、完全に「消えた夢」のように感じてる自分がいました。
気が付いたら夢は叶っていた
でも。
よくよく考えてみると、「あれ?もしかして私、夢叶えてる?」って最近思うようになったんです。
ステージの上で歌ったり、踊ったりするのが大好きだった私。
これは小さい頃から、ミュージカルの舞台でたくさん経験してます。
自分で作った音楽を自分で歌ってみたいと思っていた私。
これも先月、演劇の舞台で自作の曲を歌って実現しました。
他にも、エキストラだけど映画にバンと顔が出たこともあったし、今は地元のコミュニティFMから自分の曲が流れてるし、なんならパーソナリティーもやっちゃうし・・
そう。
子供の頃やりたいと思っていたことを、今の自分はもうやっていたんです。
私は有名人じゃないし、プロの音楽家でもない。
でもそうでなくても、何らかの形で昔からの思いを実現させることが出来ていた。
そのことに、私自身驚くのと同時に興奮しました^^;
昔の夢には「これからの自分へのヒント」がある
始めにも書きましたが、要は「○○になる」ということが大事なんじゃなくて、「自分はどういう人間になりたいのか」「どんな生き方がしたいのか」。
子供の頃に思い描いた形(職業)と違っても、その根本にあった気持ちを実現させることが出来れば、夢は叶ったも同然だと思うんです。
例えば子供の頃、特撮ヒーローや変身ヒロインに憧れた人は多いんじゃないでしょうか。
私も幼稚園の頃、七夕の短冊に「セーラームーンになりたい」と書いたことがありました。
(本気でなれると思ってたし)
どうして憧れるかといったら、彼らが世界のために何かをする姿がカッコいいからですよね。
人を助けたり、地球を守ったり・・
そんなヒーローになりたい!という夢を持って、大人になってスーツアクターやスタントマンといった職業を目指すのも、それはそれでいいと思います。
ただ日々の中で、誰かのために何かいいことをしたり、人に感謝されることをしてるだけでも、その人は十分ヒーローなわけですよ。
夢、叶ってると思うんですよ。
最初に紹介した、ミュージカル俳優を途中で諦めた人も、現在は得意なダンスを生かして、インストラクターとして活動してます。
形は違えど、「人前で踊る」とか「人を楽しませる」という部分では同じ。
しかも、過去の経験が何一つ無駄になってない。
私も、自分で作った曲を演奏する機会が年々増えてます。
「自分を通して人を喜ばせたい」「誰かを楽しませたい」という子供の頃の夢を今、叶えることが出来てるんです。
プロになったり、有名になることが全てじゃないんだ。
子供の頃になりたかった職業に就けなくても、自分の思いを形にする方法はいくらでもあるんだ。
そのことにやっと気付きました。
だから冒頭の子供達の夢も、私はそれがどんな形になっていこうと応援するつもりです。
きっと、そこに自分の生き方のヒントがあると思うから。
ですからあなたも、子供の頃はどんな夢を見ていたか、そこには自分のどんな思いがあったのか、一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
それを叶えるのは、今からでも全然遅くないと思います。
いや、ひょっとするともう既に叶ってるかもしれません。
どうか諦めずに、自分の思いを実現させるために、出来ることを探してみてくださいね。
安音でした、チャオ♪

